業界トピックス
企業活動に欠かせない機関法務とは?
- 目次
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1.機関法務とは?
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2.機関法務を怠ってしまうと
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3.機関法務分野は裁判例が多い
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4.機関法務に必要な能力
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5.まとめ
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1.機関法務とは?
2.機関法務を怠ってしまうと
株主総会決議が必要となる事業譲渡を取締役会決議だけで行ってしまうと事業譲渡が無効となる可能性があります。取締役会決議が必要であるのに稟議書を回しただけで重要な財産を処分してしまった場合にも同様の問題が生じます。せっかく株主総会決議を経ても、招集通知の記載に不備があれば決議は取り消されてしまう可能性があります。
機関法務は、法令を遵守するという点でコンプライアンスの一環をなすとともに、会社に適式な意思決定を行わせるという点でコーポレートガバナンスの一環をなすものです。総務部が担当することもある事務局業務ではありますが、その必要性と重要性は小さなものでは決してありません。
3.機関法務分野は裁判例が多い
機関法務の不備について裁判所で争われた場合には、弁護士が会社の代理人となることが通常です。そのため、弁護士は機関法務分野についての裁判例をよく研究しています。しかし、裁判例を勉強する必要があるのは法務部員や総務部員も同様です。どのような場合に株主総会決議や取締役会決議が必要となるのか、どのような場合に取締役は特別利害関係を有することになるのか、株主総会や取締役会の招集通知には何を記載しなければならないのか、株主総会の議事進行ではどのような振る舞いが求められるのか、裁判例は具体的なケースについて判断しているので、法務部員や総務部員にとっても日々の機関法務に役立ちます。
4.機関法務に必要な能力
機関法務の舞台となるのは主として株主総会と取締役会です。株主総会と取締役会では様々な議事が取り扱われます。また、機関法務では、その企業活動は株主総会や取締役会で議題として取り扱うべきものかどうかの判断も行います。そのため、企業がおこなうあらゆる企業活動が機関法務の対象だと言っても過言ではありません。
とはいえ、機関法務においてあらゆる企業活動を把握することは不可能です。そのため、機関法務には、機関法務において必要な手続を判断するべき企業活動の情報が自然と集まってくる体制を構築することが求められます。具体的な手段としては、稟議のルールを整備したり、非定型的な取引については事前に機関法務の担当部署に必要な手続を問い合わせるよう周知したりすることが考えられます。機関法務に限らず企業法務全般に言えることですが、単に法律的知見を深めるだけでなく、企業全体を見渡す視点を持ち、他の部署から相談しやすいと頼られるコミュニケーション能力を身につけることも、機関法務に必要な能力です。
5.まとめ
記事提供ライター
大学院で経営学を専攻した後、法科大学院を経て司法試験合格。勤務弁護士、国会議員秘書、インハウスを経て、現在は東京都内で独立開業。一般民事、刑事、労働から知財、M&Aまで幅広い事件の取り扱い経験がある。弁護士会の多重会務者でもある。
