法律で企業活動を支える企業法務とは?|法務・パラリーガル・弁理士・知的財産の転職・求人情報なら「法務求人.jp」

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法律で企業活動を支える企業法務とは?

目次
  • 1.企業法務とは?

  • 2.企業法務の役割

  • 3.企業法務の実務

  • 4.企業法務に必要なスキル

  • 5.企業法務の年収

  • 6.まとめ

1.企業法務とは?

ビジネス環境の複雑化や企業不祥事の多発によって企業法務への関心が高まっています。しかし、企業法務の内容を説明できる人は少ないのではないでしょうか。企業法務という言葉には法律や学問上の定義がありません。言葉だけが先行し、誰もが思い思いの内容で企業法務について語っているのが実情です。ここでは、企業法務とは、企業内に設置された法務部の活動内容であると定義して、その役割や実務について解説します。

2.企業法務の役割

企業法務の役割は企業によって異なります。日々の法律相談や契約書の添削・作成のみを行っている法務部もあれば、企業の利益を最大化する法的なスキームを提案する法務部もあります。企業法務の役割は様々であることを前提に、企業法務を、予防法務、臨床法務、戦略法務の3つに分ける考え方がよく見られます。ここでは、これらそれぞれの内容について解説します。

予防法務とは、企業で法律トラブルが起こることを未然に防ぐための活動を意味します。典型例は契約書の添削・作成です。取引先から出てきた契約書の内容を確認せずに代表者印を押してしまったり、契約書を作らずに口約束だけで取引を開始してしまったりするとトラブルが発生しやすくなります。これを予防するために、きちんと契約書の添削・作成をおこなうというのが、予防法務の一内容となります。この他にも、社内で適切な意思決定や日常業務がなされるように、就業規則等の社内ルールを整備したり、セクハラやパワハラについての研修を実施したりすることも予防法務の内容となります。

臨床法務とは、臨床医学を真似た言葉で、既に法律問題が発生してしまった後に、これに対処して、損害の拡大防止や解決を目指す活動です。その機能から対処法務と呼ばれることもあります。取引先や顧客から苦情の内容証明郵便が届いた場合の対応が臨床法務の典型例です。苦情処理を有利に進めるように事実関係を整理して言い分をまとめ証拠を揃えたり、裁判沙汰にならないように速やかに原因究明、被害者への弁償、再発防止策の策定を行ったり、工夫をおこなうことが法務部の存在意義となります。法律問題は社内で生じることもあり、従業員からパワハラ被害を訴えられたら、事実関係を調査して加害者を指導して再発防止策を考えます。再発防止策の策定は予防法務でもあるので、予防法務、臨床法務、戦略法務を厳密に切り分けることはナンセンスです。

戦略法務は、予防法務と臨床法務が守りの法務と呼ばれているのに対して攻めの法務と呼ばれています。その内容は、法律を駆使して企業が有利になるような戦略を練るというものです。最もわかりやすいのは特許権の取得でしょう。企業の優れた技術を権利化できれば、他社に模倣されることを防ぐとともに、その技術を普及させることで安定的なライセンス収入を得られるようになります。技術の権利化は訴訟を避ける効果も有するので、予防法務という側面も持ちます。戦略法務の範囲は幅広く、競合他社を味方につけるための業務提携やM&Aも含みます。経営戦略に法務部が関与して法的な視点を提供すれば戦略法務となります。

3.企業法務の実務

法務部の活動内容は企業によって異なるのですが、多くの企業の法務部で行われているのは、法律相談、契約書の添削・作成、法令の調査、取締役会や株主総会の準備(決議の要否の判断やスケジューリングを含む)、紛争(訴訟)対応、就業規則等社内ルールの整備、社内研修の実施、事業許認可の管理・取得、登記申請といったものです。この他、知的財産の管理・取得は、法務部とは別に知財部が設けられている企業もあれば、法務部が所轄する企業もあります。

企業法務の実務では、紛争(訴訟)対応を弁護士に、就業規則等社内ルールの整備を社会保険労務士に、事業許認可の申請を行政書士に、登記申請を司法書士に依頼するなど、企業外部の専門家との窓口になることも求められます。法律相談、契約書の添削・作成、法令の調査についても、内容が複雑な場合には弁護士に依頼することが求められますから、何を誰に依頼すれば良いか切り分けることも企業法務の実務となります。

4.企業法務に必要なスキル

何を誰に依頼すれば良いか切り分けることも企業法務の実務であると述べましたが、そのためには、企業法務の全体像を把握しておくことが求められます。企業法務においては、特定分野についての深い法的知見よりも、企業活動全般に関する幅広い法的知見が必要なスキルであると言えます。

企業法務には、社会情勢の変化や法律改正への対応も求められます。絶えず学び続ける意欲とその実践、常に法的知見をアップデートしていくことも企業法務に必要なスキルです。

企業活動においては、企業の内外を問わず、様々な法律問題が発生する可能性が有ります。企業活動全体に目配せすることはもちろんですが、経営層から従業員まで誰からも気軽に相談してもらえるようになれば自然と情報は集まります。法務部員以外と交流するには、法律の内容をわかりやすい言葉で説明できることも必要です。社外の弁護士などに依頼するにも、社内の状況を整理して必要な証拠や資料を集めて依頼すれば、より良い成果が得られます。人当たりが良いという意味ではなく、誰とでも法的な会話ができるという意味でのコミュニケーション能力も必要なスキルです。

さらに、法務部員は企業の一員であるため、どうすれば企業に利益をもたらすことができるか、戦略法務の役割を果たせることも重要です。単に法的な当否を判断するだけでなく、企業がより有利になるための法的なスキームを構築、提案できることも、企業法務としてあれば望ましいスキルです。

5.企業法務の年収

多くの企業において、法務部員の年収は、他部署の総合職と同様の給与体系に基づいて決定されます。そのため、企業法務の年収は、勤務先企業の総合職の給与水準に準じることが通常です。ただし、外資系企業においては、外国語が堪能で日本の法律に詳しい人材は貴重ですから、企業法務の年収は高くなる傾向にあります。

6.まとめ

法務部の活動内容である企業法務の内容は多岐にわたります。企業活動が複雑化していく中で、企業法務の役割の重要性は高まっており、法務部員の活躍の場はますます広がっていくでしょう。既に企業法務に携わっているがもっと活躍できる環境を探したい、これから需要が増していくだろう企業法務にチャレンジしてみたいとお考えの方は、C&Rリーガル・エージェンシー社にお気軽にご相談下さい。

記事提供ライター

弁護士
大学院で経営学を専攻した後、法科大学院を経て司法試験合格。勤務弁護士、国会議員秘書、インハウスを経て、現在は東京都内で独立開業。一般民事、刑事、労働から知財、M&Aまで幅広い事件の取り扱い経験がある。弁護士会の多重会務者でもある。

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