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業界トピックス

司法試験に落ちた方へ|これからのキャリアの選択肢と就職活動

目次
  • まず知ってほしいこと:司法試験の受験経験は「強み」になる

  • あなたが選べる4つの道

  • 企業への就職活動:具体的な進め方

  • まとめ|司法試験受験経験を活かして、次の一歩を踏み出そう

司法試験の結果が不合格だった。
 
これまでの時間と努力を思うと、「すべて無駄だったのではないか」と感じてしまうかもしれません。同期が合格していく中で、自分だけが取り残されたような気持ちになっている方もいるでしょう。

 

しかし、断言します。あなたがこれまで積み重ねてきた経験は、決して無駄ではありません。

 

むしろ今、企業は「法的思考力を持つ人材」を積極的に求めています。司法試験の受験経験——複雑な問題を論理的に整理し、粘り強く考え抜く力——は、企業社会で高く評価されるスキルです。

 

本記事では、司法試験に落ちた後のキャリアの選択肢と、具体的な就職活動の進め方を解説します。

まず知ってほしいこと:司法試験の受験経験は「強み」になる

「法曹になれなければ意味がない」そう思い込んでいませんか?

 

確かに、ひと昔前まではそういう空気がありました。でも今は違います。

 

企業の採用担当者は、司法試験の合否そのものよりも、その過程で培われた次のような能力に注目しています。

 

・論理的思考力:事実を整理し、ルールを特定し、結論へ至る筋道を組み立てる力
・問題解決能力:複雑な事案から争点を見抜き、解決策を導き出す力
・文章作成能力:筋道立った文章を書く訓練を重ねてきた経験
・粘り強さ:長期間、高い目標に向かって努力を続けた実績

 

これらは、法務部門だけでなく、企画・人事・営業など、あらゆる職種で求められる能力です。

資格がなくても、法的素養を持つビジネスパーソンとして活躍する道は、確実に広がっています。

あなたが選べる4つの道

司法試験に落ちた後、主に4つの選択肢があります。

 

①企業の法務部門で働く
②企業の法務以外の職種で働く
③法律事務所でパラリーガルとして働く
④受験を続ける

 

どれが正解というものではありません。大切なのは、「今の自分が何を優先したいか」を見極めることです。

① 法務部で働く道(企業法務・コンプライアンスなど)

司法試験に落ちたあと、「それでも法律を仕事にしたい」という方が、まず検討すべき選択肢の一つが企業の法務部で働く道です。いわば、「法曹ではないけれど、法律のプロとして企業の内部で働く進路」とイメージしていただくとよいでしょう。

 

【法務部の主な仕事】

・契約書の作成・レビュー
・新規事業や取引スキームの法的リスク検討
・M&A・組織再編・海外展開に関する法的サポート
・コンプライアンス体制の構築・研修 など


上記の仕事をこなすうえで、司法試験の受験経験によって培った次のようなスキルが生かせます。


・条文・判例に基づいて物事を考えるクセが身についている
・複雑な事案を整理し、「どこが争点か」「どこにリスクがあるか」を切り分けられる
・長文の契約書や資料を読むことに抵抗がない
・結論だけでなく、その理由・根拠を筋道立てて説明できる

② 法務以外の総合職・企画職・管理部門で働く道

法務部門にこだわらず、総合職や企画職、管理部門で働く道もあります。

 

特にスタートアップやベンチャー企業では、法務・知財に限らず、品質管理、薬事申請、許認可対応、事業開発など、法律知識を活かしつつ幅広い業務に関わる機会もあります。

 

法律の勉強で鍛えた論理的思考力・情報整理力は、どの職種でも大きな強みになります。

③ 法律事務所でパラリーガルとして働く道

法律事務所で弁護士の業務をサポートする「パラリーガル」として働く道もあります。

 

【パラリーガルの主な業務】
・判例・文献のリサーチ
・裁判所への提出書類の作成補助
・事件記録の整理・管理
・クライアントとの連絡調整

 

弁護士のすぐそばで法律実務を経験できるため、「法務の現場」を肌で感じながら働けます。

 

司法試験の受験経験は、次のようなスキルがあるため、パラリーガル採用で非常に高く評価されます。

 

・民法・会社法・民事訴訟法などの基礎知識がある
・判例・条文の読み方に馴染んでいる
・大量の資料を処理する体力と集中力がある

 

働きながら司法試験の勉強を続け、弁護士資格を取得する人もいます。また、法律事務所での実務経験は、将来的に企業法務へ転職する際にも有利に働きます。

④ 受験継続(浪人・宅浪・予備校生)という選択

「どうしてももう一度挑戦したい」という強い思いがある場合、受験を継続することも立派な選択です。

 

ただし、感情だけで決めるのではなく、次の点を冷静に整理しておきましょう。

 

■整理すべき3つのポイント


①敗因分析
・勉強方法、知識不足、答案の書き方、時間配分、メンタル面など、どこに課題があったのか
・必要なら予備校や指導者にフィードバックを求める

 

②経済的な見通し
・生活費や予備校費用をどう工面するか
・家族の理解は得られるか

 

③年齢とキャリアプラン
・何歳まで受験を続けるのか
・もし次も不合格だった場合、どのようなキャリアに切り替えるのか

 

■働きながら受験を続けるという選択
アルバイトやパートタイム、あるいは正社員として働きながら勉強を続ける人もいます。

  働きながら受験 受験に専念
メリット 経済的安定、社会人経験の獲得 勉強に集中できる
デメリット 勉強時間の確保が難しい 経済的負担、空白期間の長期化


どちらを選ぶかに「正解」はありません。自分が何を優先したいのかを整理したうえで、納得して選べる道を選ぶことが大切です。

企業への就職活動:具体的な進め方

ここからは、企業への就職活動を進める際の具体的なステップを解説します。

■11月の結果発表後はスケジュールがタイト

司法試験の合格発表は例年11月です。そこから翌年4月入社を目指す場合、時間はあまりありません。

 

【一般的なスケジュール(11月発表→4月入社の場合)】
 11〜12月:自己分析・業界研究・エージェント登録・応募書類作成
 12〜1月:企業へのエントリー開始・書類選考
 1〜3月:面接などの選考
 3〜4月:内定・入社準備

 

新卒採用はすでに終盤のことが多く、通年採用・第二新卒・中途枠が中心になります。
結果が分かった時点で、すぐに動き始めることが大切です。

■求人区分の違いを理解する

求人は、「新卒」「第二新卒」「中途(経験者)」という大きな3つのルートに分かれます。それぞれ、評価されるポイントが違います。

 

■新卒採用
経験よりも、「素直さ」「向上心」「コミュニケーション力」などのポテンシャルが重視されます。法学部出身かどうか、司法試験を受けたかどうかは、あくまでプラス要素の一つと捉えられることが多いです。

 

■第二新卒採用
新卒と同様にポテンシャルが重視される傾向にありますが、社会人経験が多少あるため、基本的なビジネスマナーや仕事へのスタンスも評価対象となります。短期間で転職を繰り返していないかといった点も見られるため、応募先の選定や退職理由の整理が重要です。

 

■中途(経験者)採用
「企業法務経験〇年以上」「英文契約の実務経験」など、企業が定める「募集要件」を満たしているかどうかが主な評価軸になります。これまでの担当業務や成果を、職務経歴書で具体的に説明することが求められます。

 

もっとも、中途採用の中でも若手育成枠のように、「法的知識を有していること(司法試験受験経験者、ロースクール修了者など)」を前提に、実務未経験でも応募できる求人も存在します。

 

こうしたポテンシャル採用では、これまでの学びをどのように企業法務の実務へ生かせるかを、具体的に説明することが特に重視されます。たとえば、法学の基礎知識、リサーチ力、論理的思考力、課題整理力など、法務業務に転換しやすいスキルを示すことで、未経験でも採用の可能性が高まります。

■活用できる相談窓口に問い合わせる

就職活動について悩んだときは、専門家の力を借りてみましょう。

 

■大学・ロースクールのキャリアセンター
多くの大学や法科大学院には、学生の進路をサポートする「進路指導の窓口」やキャリアセンターが設置されています。こうした機関は、卒業生向けの求人情報を提供していたり、キャリア相談に応じてくれたりする場合があります。まずは母校に連絡を取ってみてください。

 

■法務特化の転職エージェント
法務分野に特化したエージェントは、以下のような情報とサポートを提供してくれます。

 

・一般には公開されていない求人情報
・各企業の法務部の雰囲気やキャリアパス
・職務経歴書の書き方や面接のコツ
・司法試験受験経験のアピール方法

 

早めに登録して相談すると、自分では気づいていなかった選択肢が見えてくることもあります。

■自己分析:経験を「スキルの言葉」に翻訳する

まずは、次の3つのステップで、自分の棚卸(自己分析)を行いましょう。

 

①事実の棚卸し
・どのくらいの期間、どんな勉強をしてきたか
・得意/苦手科目
・うまくいった・いかなかった場面
・並行して取り組んだゼミやアルバイト

 

②行動パターン・考え方の特徴を見つける
・なぜその勉強法を選んだのか
・壁にぶつかったときどう工夫したのか

 

③どんな仕事にも通用する「スキル」に翻訳する
・粘り強く考え抜く力
・物事を論理立てて説明する力
・失敗から学んで次に活かす力

 

重要なのは合否ではなく、その過程で何を考え、どう行動してきたかです。この経験を「スキルの言葉」に変えることが、応募書類や面接での武器になります。

■応募書類を書く

応募書類は、企業があなたに会ってみたいと思うかどうかを判断する最初の関門です。

 

職務経歴書には、これまでの経験をただ羅列するのではなく、企業が求める能力(募集要件)と合致する経験やスキルを強調して記載することが重要となります。

 

求職者が求める情報として挙げられる「習得できるスキル」や「キャリアパス」といった項目を意識し、自身の経験が企業のどのようなニーズに応えられるかをアピールしましょう。

■面接

書類選考に通ったら、いよいよ面接が始まります。

 

面接で司法試験の結果について尋ねられた際には、正直に事実を伝えつつ、その経験から何を得たのかを前向きに語ることが大切です。

 

たとえば、「目標達成はなりませんでしたが、難関試験に挑戦する中で、複雑な問題を粘り強く分析する力や、自律的に学習計画を立てて実行する力が身につきました」というように、試験勉強を通じて得たポテンシャル(思考力、向上心など)をアピールすると良いでしょう。

まとめ|司法試験受験経験を活かして、次の一歩を踏み出そう

司法試験に挑戦してきた時間は、合否にかかわらず必ずあなたの力になっています。

■「落ちた」という事実だけで自分の価値は決まらない

司法試験に不合格だったという事実は、あなたの能力や価値を決定づけるものではありません。採用の現場では、資格の有無よりも「自分の頭で考える力」や「向上心」が重視されることも多いのです。

 

大切なのは、これまでの経験をどう捉え、次にどう活かすか。その視点さえ持てれば、司法試験の受験経験はこれからのキャリアを支える大きな財産になります。

■キャリアの選択肢は想像以上に多い

法曹資格がなくとも、司法試験の勉強を通じて身につけた法律の知識や思考力を活かせるフィールドは多岐にわたります。

 

長期間、司法試験に向き合ってきた方は、一般的な法学部卒よりも、より高いレベルのリーガルマインドや実務に近い視点を備えていることも少なくありません。その力は、企業法務はもちろん、企画・管理部門や公的機関など、さまざまな場面で強みとして評価され得ます。

 

あなたの前にも、「司法試験を本気で目指したからこそ開けるキャリア」が、想像している以上に広がっているのです。

■専門エージェントに相談して、自分に合うキャリアを見つけよう

自分一人で悩まず、キャリアの専門家に相談することも有効です。特に法務分野に強い転職エージェントは、あなたの経験を評価してくれる企業を見つける手助けをしてくれます。

 

C&Rリーガル・エージェンシー社は、法務・知財分野に特化した転職エージェントとして、司法試験受験経験者の方々のキャリアをサポートしています。

 

企業法務や法律事務所への就職・転職をお考えの方は、ぜひ「法務求人.jp」をご覧ください。

 

また、実務で求められるスキルを学びたい、自身の知識をアップデートしたいという方向けに、各種講座を提供する「Attorney’s Academy」も運営しています。キャリアチェンジやスキルアップにぜひご活用ください。

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