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企業の法務部の仕事とは?法務部員を目指す方に向けて、仕事内容や年収、キャリアを解説

目次
  • 企業法務部の目的と役割

  • 企業の法務部の仕事にはなにがあるか?

  • 企業法務部の具体的な仕事

  • 法務部員のキャリアの選択肢

  • 法務部員の年収や働き方・やりがい

  • 法務部に入る難易度・最低限必要な素養

  • 資格の必要性

  • 法務部員になりたい方はC&Rリーガル・エージェンシー社へ

企業活動にはさまざまな法律が関わります。契約の締結、取引先との交渉、知的財産の管理、社内のコンプライアンスなど、適切な法的対応が求められる場面は多岐にわたります。こうした企業の法的リスクを管理し、円滑な事業運営を支えるのが法務部の役割です。


本記事では、企業法務の役割と目的、具体的な仕事内容、キャリアパス、年収、やりがい、求められるスキルや資格について詳しく解説します。法務部でのキャリアを考えている方、法務部員の仕事内容を知りたい方はぜひ参考にしてみてください。

企業法務部の目的と役割

まずは、企業法務部が会社に存在する目的、その役割について解説します。

■企業法務とは?

企業法務とは、企業活動を法律の視点からサポートし、リスクを管理しながら事業の円滑な運営を支える業務です。契約書の作成やチェック、トラブル対応、コンプライアンスの確立など、企業の信頼性を守るために重要な役割を担います。


企業が適切に法を守らなければ、取引先や顧客、投資家など多くのステークホルダーからの信用を失い、事業の継続が難しくなります。そのため、企業法務は単なる法的チェックではなく、企業の健全な成長を支えるために不可欠な機能といえます。

■なぜ企業法務が重要なのか?

近年、企業を取り巻く環境は大きく変化しています。デジタル技術の進展、グローバル化の加速、消費者意識の変化などにより、企業活動に関わる法律も複雑化しています。加えて、SNSの普及によって、企業の不祥事や法令違反が瞬時に拡散し、社会的な信用を失うリスクが高まっています。


このような背景から、企業が事前に法的リスクを管理し、適切な対応を取ることが求められています。特に、コンプライアンス(法令遵守)意識の向上が強く求められ、企業法務の重要性は年々増しています。

■企業法務部の役割

企業法務部は、大きく分けて「守る役割」と「攻める役割」を担っています。


1. 企業を守る(ガーディアンとしての役割)
企業法務の基本的な役割は、企業をリスクから守ることです。企業活動が法律に違反していないかをチェックし、内部の統制を強化することで、事業の安定的な運営をサポートします。また、最新の法改正に対応し、企業が不必要なリスクを抱えないようにすることも重要な役割です。


2. 企業を成長させる(パートナーとしての役割)
企業法務は単に企業を守るだけではなく、経営戦略をサポートし、企業の成長を促進するといった「攻める」役割も持っています。事業拡大を進めるうえで、法的な視点から戦略を立て、企業の競争力を高めることも法務部の重要な役割です。法務部が適切なアドバイスを行うことで、新たな市場開拓や事業拡大をスムーズに進めることができます。

企業の法務部の仕事にはなにがあるか?

企業法務部の業務は、主に「臨床法務」、「予防法務」、「戦略法務」の3つに分けられます。


1. 臨床法務(法的トラブルへの対応)
臨床法務は、企業が直面する法的トラブルへの対応を担当します。取引先との契約違反、顧客クレーム、労働問題、競争相手との紛争などが発生した際に、迅速かつ適切に対応し、被害を最小限に抑えることが求められます。場合によっては弁護士と連携し、訴訟対応や和解交渉を行うこともあります。


2. 予防法務(法的リスクの未然防止)
予防法務は、将来的な法的リスクを回避するための業務を担当します。契約書のチェックや作成、社内規程の整備、コンプライアンス研修の実施などを通じて、トラブルの発生を未然に防ぎます。また、取引条件や新規事業の法的リスクを事前に確認し、適切な対策を講じることも重要です。


3. 戦略法務(経営戦略の法的サポート)
戦略法務は、企業の成長を法的な側面から支える業務です。新規事業の立ち上げ、M&A(企業の合併・買収)、知的財産の管理、海外進出の支援など、経営戦略に深く関わる法務業務を担当します。法務部が適切にサポートすることで、企業は法的なリスクを抑えながら、競争力を高めることができます。

企業法務部の具体的な仕事

では、具体的な企業法務部の仕事の詳細についてみていきましょう。

■1. 臨床法務

臨床法務は、企業がすでに直面している法的トラブルへの対応を担当する業務です。


① 紛争対応
企業が取引先や顧客と法的なトラブルに巻き込まれた場合、法務部が中心となって対応します。契約違反による損害賠償請求、支払い遅延、競合他社との知的財産権侵害の問題など、様々なケースが含まれます。企業として最適な解決策を探し、必要に応じて外部の弁護士と連携しながら交渉を進めます。


② 訴訟対応
法務部は、企業が原告または被告として訴訟に関与する場合、証拠の整理や弁護士との協議を行い、裁判対応をサポートします。訴訟に至らないよう和解交渉を行うこともあります。


③ クレーム・不祥事対応
顧客クレームや社内の不祥事への対応も、企業法務部の重要な仕事です。特に近年はSNSの普及により、不祥事が広まるスピードが速くなっているため、早期対応が求められます。消費者トラブル、労務問題、製品の欠陥など、問題ごとに適切な対応策を検討し、企業の信用を守る役割を担います。

■2. 予防法務

予防法務は、法的トラブルを防ぐための事前対策を講じる業務です。


① 契約・取引法務
企業活動では、取引先との契約締結が不可欠です。売買契約、業務委託契約、秘密保持契約など、様々な契約書の作成・チェックを行い、法的リスクを防ぎます。また、海外取引がある場合は、英文契約書の確認も重要な業務のひとつです。契約内容に不備があると、後にトラブルにつながるため、細部まで確認を行います。


② コンプライアンス・社内規程の整備
企業が法律を守るだけでなく、社会的な信頼を得るためには、社内のルール作りが欠かせません。法務部は、就業規則や内部統制ルールを策定し、コンプライアンス研修を実施することで、社員の法令遵守意識を高めます。また、ハラスメント防止のための窓口設置や、内部通報制度の運営も重要な役割です。


③ 機関・組織法務(商事法務)
会社の運営に関わる法律業務も予防法務の一環です。たとえば、株主総会や取締役会の開催に関する手続き、会社の合併や分割、株式発行など、会社法に基づく業務を担当します。適切な手続きを行わないと、企業の信用が損なわれるリスクがあるため、正確な対応が求められます。


④ 法令調査
企業活動に影響を及ぼす法律は日々改正されています。特に、労働法、個人情報保護法、環境関連法など、企業が遵守すべき法令が変更されることが多いため、常に最新の情報をキャッチし、必要に応じて社内のルールを改定する必要があります。特に、海外に事業を展開する場合は、各国の法律も調査し、適切に対応しなければなりません。

■3. 戦略法務

戦略法務は、企業の競争力を高めるために法律を活用する業務です。


① M&A・事業再編の法務
企業が成長するためには、他社との提携や買収(M&A)が必要になることがあります。M&Aを行う際、契約交渉、デューデリジェンス(法的リスクの調査)、契約書の作成など、様々な法的手続きが必要です。また、事業譲渡や会社分割を行う際にも、企業法務部が法的支援を行います。


② 知的財産法務
企業の技術やブランドを守るためには、知的財産の管理が欠かせません。特許や商標の出願を行い、自社の権利を守るだけでなく、他社の知的財産を侵害しないようにチェックすることも重要です。また、知的財産権を活用して企業の利益を最大化する戦略を考えることも求められます。


③ 海外法務
企業が海外に進出する際、現地の法律に基づいた契約の締結や、各国の規制に適合した事業運営が必要です。現地法人の設立、国際取引契約の確認、海外での訴訟対応など、グローバル展開を支える役割を担います。

■4. 複数の領域にまたがる業務

企業法務の仕事には、臨床法務・予防法務・戦略法務のどの分野にも関わる業務があります。


① 弁護士との連携
企業の法務部だけでは対応が難しい高度な案件は、顧問弁護士と連携して対応します。たとえば、訴訟対応(臨床法務)、契約のリーガルチェック(予防法務)、M&Aの交渉(戦略法務)など、様々な場面で弁護士の協力が必要になります。


② 法律相談・社内サポート
社内の法律相談窓口として、各部署の業務を支援する役割も果たします。人事・労務に関する問題、営業活動の適法性チェック、経営陣の意思決定のサポートなど、企業内の様々な課題に対応します。

法務部員のキャリアの選択肢

法務部員は、企業内での法的な問題を扱う専門家です。そのキャリアパスは多岐にわたり、個々の目標やスキルに応じてさまざまな道が開かれています。


1. 法務部門での昇進
法務部内で経験を積み、主任やマネージャー、さらには部長などの管理職へと昇進する道があります。管理職となるには、法的知識だけでなく、マネジメントスキルや組織運営能力も求められます。一方で、専門家として特定の法分野のスペシャリストとして部下を持たずに昇進していく方法もあります。


2. 法務部門での転職
他社の法務部門へ転職し、より大きな責任や専門性の高い業務に挑戦することも可能です。マネジメントスキルや、特定の業界・分野での専門知識が評価されることがあります。


3. 法務の知見を生かした隣接職種や他職種
法務の知識を活かして、コンプライアンス部門やリスクマネジメント、さらには経営企画などの他部門へのキャリアチェンジも考えられます。

法務部員の年収や働き方・やりがい

ここでは、法務部員の年収や働き方、それに伴うやりがいについて解説します。

■年収

法務部員の年収は、企業の規模、業界、自身の経験、専門性によって大きく異なります。
一般的に法務部員の平均年収は700万円程度と、他のバックオフィス業務と比較して高めの傾向があります。


また、外資系企業や上場企業の法務部では、1000万円以上の年収を得るケースも少なくありません。特に、企業法務に関する豊富な実務経験 や国際法務・M&A・知的財産などの専門性を持っている場合は、より高い報酬が期待できます。

■働き方

法務部の働き方は、企業の方針や業界の特性によって異なります。一般的にはデスクワークが中心であり、契約書の作成・チェック、法的リスクの分析、社内の法律相談対応などが日々の業務になります。


また、取引先との契約交渉や社内会議への参加もあるため、社内外とのコミュニケーションが求められる仕事でもあります。


労働時間については、突発的なトラブルが発生しない限り、比較的安定している傾向があります。特に、契約審査やコンプライアンス対応がメインの企業では残業時間が少なく、ワークライフバランスを保ちやすい仕事と言えます。


一方で、訴訟対応やM&A、危機管理などの業務に関わる場合は、長時間労働になることもあるため、業務内容によって働き方の違いが生まれます。

■やりがい

法務部員の仕事は企業の根幹を支える重要な役割を担っています。特に、法的リスクを回避しながら企業の成長を支援し、競争力を高めることができる点に、大きなやりがいを感じる人が多いです。


① 企業経営に直結する影響力のある仕事
法務部の仕事は、企業の経営戦略やビジネスの方向性にも大きく関わります。契約の締結、M&A、海外進出、知的財産の保護など、企業が成長していく上で不可欠な役割を果たします。


「法的リスクを考慮しながら、どうすればビジネスをスムーズに進められるか?」
この問いに対する最適解を導き出すことが、法務部の醍醐味のひとつです。


② 企業を守る「最後の砦」
法務部は、企業が訴訟やコンプライアンス違反による社会的信用の低下を防ぐ役割も担います。特に企業が不祥事や法的トラブルに直面した際には、迅速かつ的確な対応が求められます。


「自分の仕事が企業のリスクを回避し、長期的な信頼を築くことに貢献している」と感じられる点は、法務部員にとって大きなやりがいを感じる瞬間です。


③ 幅広い業務を経験できる
法務の仕事は契約法務、コンプライアンス、紛争対応、知的財産、M&A、国際法務など、多岐にわたります。ひとつの専門領域を極めることもできますし、幅広い業務を経験して総合的な法務スキルを身につけることも可能です。


特に、国際取引やM&Aなどの高度な案件に携わることができると、大きな達成感が得られるでしょう。


④ 社内外の多くの人と関わる仕事
法務の仕事は、社内の経営層や各部署、そして社外の弁護士や取引先など、多くの関係者と連携する仕事です。そのため、単なる法的な知識だけでなく、交渉力や調整力、論理的思考力などが求められます。


関係者と信頼関係を築き、スムーズに業務を進めることができたときには、大きな充実感を感じることができます。

法務部に入る難易度・最低限必要な素養

法務部の仕事は専門性が高く、一定の法律知識が必須となるため、就職・転職のハードルは決して低くありません。


一般的には、法学部出身者やロースクール修了者が採用されやすいですが、実務経験が重視されるため、法律に関連する職務経験があることが大きなアドバンテージになります。


また、以下のスキルや素養が求められます。


・法律知識(民法・会社法・契約法・労働法・知的財産法など)
・論理的思考力(複雑な契約書や法的課題を分析し、適切な判断を下せる能力)
・コミュニケーション力(契約交渉や他部署との調整を円滑に行う力)
・リスクマネジメント能力(企業のリスクを事前に察知し、最適な対応策を講じる力)
・語学力(外資系企業や海外取引のある企業では、英語の契約書の理解・作成が必要)


特に転職市場では、即戦力となる実務経験者が求められる傾向にあります。未経験から法務部に転職する場合、法的知識を証明する資格の取得や、関連業務(総務・コンプライアンス・人事など)での経験を積むことが大切です。

資格の必要性

法務部で働くために必須の資格はありませんが、未経験者が法務部へ転職を目指す場合や、キャリアアップを狙う場合には、資格取得が有利に働くことがあります。


特に以下の資格は法務の知識を証明するものとして評価されやすいです。


・ビジネス実務法務検定(2級・1級)
・知的財産管理技能検定(2級・1級)
・コンプライアンス・オフィサー認定試験
・TOEIC(英文契約書を扱う場合)


中途採用で未経験から法務部を目指す場合、これらの資格を取得することで基礎的な知識を持っていることをアピールできます。また、法務の実務経験がある場合でも、特定分野(知的財産・M&A・国際法務)に特化した資格を取得することで、キャリアの幅を広げることが可能です。

法務部員になりたい方はC&Rリーガル・エージェンシー社へ

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