転職ノウハウ
20代の法務部員が考えておきたいキャリアの視点―今だからこそできる選択とは
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20代の法務キャリアは「まだ決まっていない」からこそ可能性が大きい
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法務のキャリアには大きく3つのタイプがある
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20代のキャリア作りで意識しておきたい3つの視点
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法務のキャリアでよくある見落とし
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キャリアを考えるのは、転職するためだけではない
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まとめ:20代は「決めすぎず、放置もしない」がちょうどいい
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法務の仕事をひととおりこなせるようになり、大きな不満があるわけではない。それでも、ふとした瞬間に「このままで本当にいいのだろうか」という気持ちがよぎる。20代で法務に携わる方から、そんな声を聞くことは少なくありません。
転職を具体的に考えているわけではない。でも、自分のキャリアがこの先どこに向かうのかは、はっきりとは見えていない。今回は、そうした段階にいる20代の法務部員に向けて、キャリアを「考え始める」ためのヒントを整理します。
今すぐ進む道を決める必要はありません。20代の法務キャリアは、まだ形が固まっていないからこそ、これからの選び方しだいで大きく変わっていきます。
20代の法務キャリアは「まだ決まっていない」からこそ可能性が大きい
最初にお伝えしたいのは、20代という時期そのものが持つ意味です。
法務のキャリアは、20代のうちはまだ方向が定まりきっていないことがほとんどです。裏を返せば、これから積む経験しだいで、いろいろな道に進んでいけるということでもあります。
たとえば、契約業務を中心にやってきた人が、数年後にコンプライアンスや知的財産の分野に軸足を移すことも、事業に近い立場で経営判断を支える役割に進むことも、この段階ならまだ十分に選べます。
逆にいうと、20代の過ごし方は後々の選択肢に影響します。今どんな経験を積むかが、5年後、10年後に「選べる道」の幅にもつながっていきます。
だからこそ、まだ転職を考えていない段階でも、「自分はどんな法務人材になりたいのか」を少しだけ意識しておくことが重要です。
法務のキャリアには大きく3つのタイプがある
自分の方向を考えるとき、ひとつの手がかりになるのが、「法務のキャリアにはどんなタイプがあるのか」を知ることです。ここでは大きく3つに分けて整理します。
どれが正解という話ではありません。自分がどのタイプに近づきたいかによって、今積むべき経験も変わってきます。
① 幅広く対応するゼネラリスト型
契約審査、コンプライアンス、株主総会の対応、ときには総務的な業務まで、法務まわりを広くカバーするタイプです。多くの企業で求められており、法務部員としてもっとも一般的な姿といえます。
社内のさまざまな相談に対応できる強みがある一方で、「これが専門」と言いきれる領域を持ちにくく、専門性が外から見えづらくなることもあります。
② 特定分野を深める専門特化型
契約、M&A(会社の合併や買収のこと)、知的財産、コンプライアンスなど、特定の領域を中心に経験を積むタイプです。
強みは、専門性の高さと、市場での価値が分かりやすいことです。「この分野なら任せられる」と評価されやすく、転職を考えるときにも自分の経験を説明しやすくなります。一方で、領域を絞る分、対応できる仕事の幅が狭くなる可能性もあります。
③ 事業に近い立場で動くビジネス寄り型
経営層や事業部門に近い位置で、法務の知識に加えて、事業への理解や戦略的な視点を求められるタイプです。法務とビジネスの両方が分かる人材は数が少なく、その希少性が大きな強みになります。
ただし、事業に関わる時間が増えるほど、純粋な法律スキルを深める時間は、相対的に少なくなりがちです。
こうして並べてみると、「自分はどれに近づきたいか」がうっすら見えてくる方もいるはずです。そして、その答えしだいで、今どの会社で、どんな業務に、どこまで踏み込んで関わるべきかが変わってきます。
20代のキャリア作りで意識しておきたい3つの視点
先ほどの3つのタイプの、どれを目指す場合でも共通して大切になるのが、今の仕事への向き合い方です。ここでは、日々の業務のなかで意識しておきたい3つの視点を紹介します。
①「何をやったか」だけでなく「どこまで関わったか」
日々の業務に向き合うとき、つい「どんな業務を担当できるか」に意識が向きがちです。ただ、後々の市場価値につながりやすいのは、業務の種類そのものよりも、「その業務にどこまで踏み込んで関わるか」のほうです。
たとえば同じ契約業務でも、決められたひな形どおりに処理して終えるのか、それとも相手方と条件を交渉し、リスクを判断したうえで意思決定にまで関わっていくのかで、積み上がる経験はまったく違ってきます。任される範囲をひとつずつ広げていくことが、そのまま力になっていきます。
②「会社の看板」ではなく「自分のスキル」
大きな企業の法務部にいると、それだけで安心しがちです。ただ、名の知れた会社にいることと、自分自身にスキルが身についていることは、必ずしも同じではありません。
規模の大きい会社でも、単純作業中心だったり、指示を待って動くスタイルが続いたりすると、個人としてのスキルは伸びにくくなることがあります。だからこそ、「会社の看板」と「自分の実力」を切り分けて意識しながら、自分の手で動かせる仕事を少しずつ増やしていくことが重要です。
③その経験は「他社でも通用するか」
もうひとつ意識したいのが、今積んでいる経験が社内だけで通じるものにとどまっていないか、という点です。
自社特有のルールや進め方に最適化された動き方は、その会社では重宝されても、外に出たときには評価されにくいことがあります。「この経験は、別の会社でも価値があるだろうか」という視点を持っておくと、社外でも通用する力を意識して積み重ねていけます。
法務のキャリアでよくある見落とし
本人は順調に経験を積んでいるつもりでも、気づかないうちに成長が止まってしまう、ということは少なくありません。
転職相談の場でも、20代の方からよく聞くのが、こうした「自分では気づきにくい停滞」にまつわる悩みです。
ここでは、20代の法務部員の方が陥りやすいパターンをいくつかご紹介します。当てはまるものがあっても、過度に不安になる必要はありません。気づくこと自体が、考え直すきっかけになります。
①忙しさを成長と取り違える
忙しさを、そのまま成長と感じてしまうことがあります。毎日たくさんの案件に追われていると、それだけで前に進んでいる気持ちになりますが、前例どおりの処理を繰り返しているだけだったり、自分で判断を下す立場ではなく、関係者の間を調整する役回りで満足していたりすると、こなした量のわりに身についた力は多くない、ということも起こりえます。
「自分は何をもって成長と考えているのか」、その目印になる目標を自分なりに持っているかどうかで、こうしたズレへの気づきやすさは変わってきます。そして、その目標を意識することは、少し先のキャリアの方向を描くことにもつながります。
②まわりと比べて焦る、または安心しきる
同期や知人のキャリアが気になって「自分も早く動かなければ」と転職を急ぐ人もいれば、反対に「名の知れた会社にいればとりあえず安心だろう」と立ち止まる人もいます。
一見すると正反対ですが、どちらも判断のもとになる情報が足りないまま動いている点では同じです。情報が少ないと、転職するにせよ現職にとどまるにせよ、その判断が自分に本当に合っているのかを冷静に見極めるのが難しくなります。
③考えのないまま現状維持が続く
はっきりした考えのないまま「とりあえず現状維持」が続いてしまうこともあります。今の会社で頼りにされていれば、その状態に安心するのは自然なことです。ただ、社内でしか通用しない経験ばかりが積み上がっていると、いざ環境が変わったときに動きにくくなる面もあります。
ここで効いてくるのが、先ほどの「他社でも通用するか」という視点です。大切なのは、今の会社にいながらでも、外で通用する経験を意識して積んでおくことです。そうしておけば、いざ転職を考えたくなったときに、次の職場をより選びやすくなります。
キャリアを考えるのは、転職するためだけではない
ここまで読んで、「やっぱり転職を考えたほうがいいのだろうか」と感じた方もいるかもしれません。けれど、キャリアを考えることと、転職することは、イコールではありません。
では、キャリアを考えるとは具体的に何をすることなのか。出発点になるのは、自分が今どこにいて、これからどうなりたいのかを整理することです。これがはっきりすると、現職で力を伸ばすのか、別の道を探すのか、自分に合った進み方を判断しやすくなります。
そのために取りかかりやすいのが、自分自身を振り返る自己分析です。これまでどんな業務に関わってきたか、何が得意で、何にやりがいを感じるか。頭のなかだけで考えると堂々めぐりになりやすいので、一度書き出して整理してみるのがおすすめです。自己分析の進め方については、こちらのコラムでも紹介しています。
そのうえで出てくる選択肢は、転職だけではありません。今の会社で経験の幅を広げる、希望して部署の異動や役割の変更を相談してみる、といった道もあります。現職のなかで実現できることは、思っているより多いものです。
一方で、社外の情報を知ることにも意味があります。自分の会社のなかだけを見ていると、それが当たり前の基準になってしまいがちです。他社の法務がどんな働き方をしているのか、どんな経験が市場で評価されるのかを知ることで、かえって「今の会社で、こういう経験を積んでおこう」と現職での可能性に気づくこともあります。
とはいえ、他社の法務の実態は、外からはなかなか見えにくいものです。求人票に書かれている情報だけでは、実際の業務範囲や任される裁量までは分からないことも多くあります。
こうした見えにくい情報を知る手段のひとつが、転職エージェントへの相談です。転職を前提にしていなくても、市場の状況や自分の可能性、他社の働き方を聞いてみるだけでも、視野は広がります。担当エージェントの活用のしかたについては、こちらのコラムでも詳しく紹介しています。
まとめ:20代は「決めすぎず、放置もしない」がちょうどいい
20代の法務キャリアで大切なのは、方向を決めすぎないことと、かといって放置もしないことの、ちょうど中間あたりにあります。
今の段階で「自分はこの道で行く」と固める必要はありません。むしろ、選択肢を残しておけることこそ20代の強みです。ただ、何も考えずに時間だけが過ぎてしまうと、後からキャリアの向きを調整するのは、少しずつ難しくなっていきます。
だからこそ、大きく構える必要はなく、小さく考え始めることが大事です。「自分はどんなタイプに近づきたいか」「今の経験は他社でも通用しそうか」。そうした問いを、ときどき自分に投げかけてみるだけでも、見えてくるものがあります。
そして、もし社外の情報がほしくなったら、まだ転職を決めていない段階でも、気軽に担当エージェントに相談してみるのもひとつの方法です。自分ひとりでは見えにくい市場の感覚やキャリアの選択肢を知ることは、現職を続けていくうえでも役に立つはずです。
法務求人.jpは、法務・知財分野に特化した転職支援をおこなうC&Rリーガル・エージェンシー社が運営しています。法務領域を専門に見てきた担当エージェントが、求人票だけでは分かりにくい他社の実態や、いま法務人材に求められている経験について、詳しく情報をお伝えします。
「すぐに転職するつもりはないけれど、まずは市場の状況だけ知っておきたい」といったご相談も歓迎しています。20代のうちにキャリアの選択肢を整理しておきたいと感じたら、その一歩として、気軽に話を聞いてみてください。
